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最適ルートを見極めることが重要(大阪府高校入試問題から) [その他雑感つぶやき]

今年度は我が娘・満咲が高校受験にあたっている件は、昨年末にも述べましたが、この2月に来て、いよいよそれもクライマックス。
本人は超絶デリケート中だったりします。

がんばれ!合格戦隊ジュケンジャー!


そんなわけで、今年に入ってからは、いわゆる過去問などにも取り組み、ワタシもかつては元塾講師として受験指導した経験の持ち主(『明るいトランスジェンダー生活』参照)でもあることから、折にふれ様子をチェックしたりはしていました。

そしてあるとき満咲が質問してきたのがコレ。

大阪府公立高校2013年度入試の前期日程の数学の過去問のようです。

 1502_13M.JPG


大阪府の入試問題は、覚えた知識のみではなくソレを臨機応変に活用する応用力をバランスよく問うタイプの良問が多いのですが、その意味ではこの問題も上手く構成してあるように見受けられます。

基本戦略としては、△ABFに三平方の定理を使って四角錐A-BCDEの高さにあたるAFの長さを求め、それによって計算できる四角錐A-BCDE全体の体積を元に、相似比を当てはめて求める部分の体積を算出するということになります。

難解な捻りはない、素直な部類に入る問題と言えます。

ところが!

………。

三平方の定理を△ABFに当てはめて、錐の高さAFを出そうとすると、斜辺ABが27cmもあるので2乗するのも一苦労です。
残りの辺BFも2分の9√2と、根号つきの分数と来てます。

これって…………ヽ(´Д`;)ノ

これを電卓も使わずに時間内に正確におこなうのは、あまりにも酷なレベルの、大変な計算になるではありませんか!

この問題は本来は受験生の図形に対する数学リテラシーを測るためのものであるはず。
最終フェイズの相似比を使うところ(後述)などにこそ数学的な面白さがあると言い換えてもよいでしょう。
それが、そこへ辿り着く以前に超困難な計算で行き詰まってしまうというのでは、出題として適切ではありません。
複雑な計算をこなす能力を試したいなら、別途そういう計算問題をひとつ入れることで対応すべきなのです。
これはどうしたことでしょう!


…………。

しかし、よくよく見直すと、読めてきました。

この問題は一見カンタンそうに見える攻略ルートに飛びついてストレートに攻めていってはいけないのです。

素直に進めようとしたら計算で詰んでしまう。
そんな王道メインストリートではない、最適ルートがじつはちゃんと用意してある、ソレに気づけるかどうかが試されているという、いわばまるで「ハンター試験」のような(^o^;?)非常に奥が深い問題だったのです。


私は満咲へのアドバイスの鉾先を少し変えました。

「とりあえず、高さが求まって錐の体積が計算できたとしたら、その次はどうする?」

「ぅ~んとナ。全体から余分な部分を除いた残りを求める」

「ソレはどうやってする??」

「えぇっと…。四角錐A-GHIJはA-BCDEと相似な立体で、相似比は2:3やから、高さも底面の1辺も3分の2。それを使って体積を計算して、全体の体積から引く………」

「…………」

「…ってゆーのが基本やけど、ソレは計算がメンドクサイから、相似比からわかる体積比を当てはめて求める」

なるほど!
ここは満咲の言うとおりです。

四角錐A-GHIJとA-BCDEの体積をそれぞれ求めて引き算をするというのは、考え方としてはもっともわかりやすいですが、しないといけない計算が増えて合理的ではありません。

それよりも、両者の相似比は2:3(AG:AB=18:27なので)なことから、長さの比ならこのまま2:3、(この問題では使いませんが)面積の比なら2乗して4:9、そして体積の比は3乗して8:27となるのを上手く活用するほうが話は早い。

すなわち、全体の四角錐A-BCDEの体積を27とすれば、取り除きたい四角錐A-GHIJはそのうちの8にあたります。
逆に言えば、取り除いて残る部分である、求めたい部分の体積は27-8で19。
つまり全体の体積を27とすれば、求める部分は19
答えは要するに、全体の四角錐A-BCDEの体積の27分の19ということになります。

念のため言っておくと、27分の19とは、27等分したひとつ分の19倍ということですね。
……………勘の良い方は、ここで話のオチが見えたかもしれません。


さて、ではここで肝心の元の全体の体積を求める試みに戻ります。

なんとか高さAFを求める三平方の定理の計算をラクに済ませる裏ワザか何かはないものなのでしょうか?

ここで、先ほどの相似比の話をもう1回見直しましょう。

相似な図形の長さの比は相似比から求められる……。

例えば、相似比1:2なら、小さいほうの図での長さが分かれば、それの2倍が大きいほうの図の対応する部分の長さ。

25000分の1の縮尺の地図上で測った1cmの距離というのは、実際の現場では 250m ……なんてことも小学校の算数以来、幾度となくやってきています。

ということは、ここでも全体の四角錐A-BCDEの何分の1かの縮小モデルを仮構して、その高さを求め、ソコからその次を進めていくというテがあるではありませんか!

「そうかぁ、その発想はなかったワw」

「ということで、何分の1にする?」

「いっそのこと9分の1でもイケるよな?? で、しかる後に9倍すれば元のAFの長さ」

「………悪いことは言わん。騙されたと思って3分の1にしとけ」

「???」

そんなこんなで四角錐A-BCDEの3分の1縮小モデルをでっち上げて計算することになりました。

ABも3分の1なら9cmということで、コレなら2乗するのも苦労しません。
BFも2分の3√2。
後の処理も、さっきと比べれば格段に扱いやすくなりましたね。

そうして無事に高さAFの3分の1にあたる長さも判明します。

「……おぉスゲェ。ほな、あとはコレを3倍した長さを使って四角錐A-BCDEの体積を求めて、そいつを27分の19倍するだけヤな ヽ(^o^)丿」

「待て待て、ちょっと待て(ニヤリ^^;)。何かオカシイと思わんか?」

「……??」

「……………コレって四角錐A-BCDEの3分の1(1:3)やったよな」

「……!?」

「長さが3分の1(1:3)ということは、それってつまり体積は………?」

「……え? お?? うぅっ!? あぁっ!!」

そう、そうなんです!

四角錐A-BCDEの3分の1縮小モデルにおいては、相似比・長さの比が3分の1(1:3)であるなら、その体積の比は3乗して27分の1(1:27)。

であるならば、求めた高さをまた3倍して元の四角錐A-BCDEに戻ったりせずに、そのまま3分の1縮小モデルの体積まで求めてしまえば、それがすなわち四角錐A-BCDEの体積の27分の1に他ならないのです。

で、そんなわけなので、

あとはソレを19倍すりゃぁ解答完了!

 (*゚∀゚!)ノ

ここんところのカラクリを、最初に問題文を一読した時点で読み取ることさえできれば、かような四角錐A-BCDEの3分の1縮小モデルの体積を求めて、それを19倍するという最短の手順で正解に至れる問題なのでした。

いわば、そのことに気づけるかどうかの数学リテラシーこそが問われていたわけですね。


このように、王道メインストリートには、いくつも仕掛けられたトラップや面倒な障害物が満ちていても、それらを回避して最小の労力でゴールに到達できる黄金の最適ルートというものは存在するものです。

そいつを上手く見極めて探し出すことは、やはり人生をラクにすることにも役立つのではないでしょうか。

思い込みでコレしかないと囚われて、狭い視野で考えないこと。
広く柔軟な発想と、幅広い情報収集で、少ない工程の方策を、負担が最低限なアプローチを編み出していくこと。

これはやはりお気楽に生きていくためにも大事なことなのだと思います。
入試問題に限らず、世の中のさまざまな事柄において……。

そう、例えば、セクシュアルマイノリティとして生きるうえで(…のいろんな工夫は上述『明るいトランスジェンダー生活』にけっこう書いたつもりなんですが(^^ゞ)ね。


   


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