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「僕の妹はガンダムに乗れる」全12話アニメ化決定……なんてするわけないよなぁ [メディア・家族・教育等とジェンダー]

今回はもはやネタ小説オンリーです。
ご了承ヲ(^^ゞ

◎乗りかかった船なので、この際アニメ化を視野に入れたという想定で『僕の妹はガンダムに乗れる』全12話を構成し、要所要所考えてみました。


 『 僕の妹はガンダムに乗れる 』
第1話「伝説の戦士!ガンダム再び大地に立つ」
 → こちらの記事の末尾に掲載

 
 『 僕の妹はガンダムに乗れる 』
第2話「俺の妹がガンダムに乗れるわけがない」
 → こちらの記事の末尾に掲載


 『 僕の妹はガンダムに乗れる 』
第3話「親友はXラウンダー」
 → こちらの記事の末尾に掲載


 『 僕の妹はガンダムに乗れる 』
第4話「セーラー服ときかん坊」
(全略)


 『 僕の妹はガンダムに乗れる 』
第5話「教育実習!アリーサ先生の愛の熱血授業」

「アリーサ・ガンヘイルです。2週間ヨロシク」
教育実習期間がはじまり、ユノアのクラスにも実習の先生がやってきた。
日頃は連邦軍のモビルスーツ部隊にいるというその実習の先生は、軍務の傍ら通信制の大学で学びキャリアアップを目指しているのだという。
「……カッコイイよね、アリーサ先生」
カノンは早速ちょっとミーハーな感想を口にする。
「そうだね。……なんか性別を越えた魅力があるよね」
ユノアもとりあえずそう応じたが、たしかにどこか心惹かれるものがあった。
実際、男子よりもむしろ女子の間でアリーサ先生人気が熱を高めるのに1日はかからなかった。

(中略)

昼休み、日直だったユノアは、クラスの分の提出物を届けに行った。
「ガンヘイル先生、プリント集めてきました」
「おお、ご苦労。こっちに置いといて」
昼食を終えたばかりなのか、ややくつろいだ感じのアリーサ先生は、裏表のないサッパリした雰囲気の笑顔を見せる。
「あの……ガンヘイル先生」
ユノアは思い切って尋ねてみた。
「先生は教育実習が終わったら、また軍に戻られるんですよね」
「そうだな。今は無理を言って休暇扱いをもらってるけど、そうそう任務に穴を開けるわけにはいかないからね」
「せ、先生は、モビルスーツに乗って戦うときって、怖く……ないですか?」
「そりゃ怖くもあるさ。戦争だからナ」
「…………」
「でも、だからって逃げてちゃ始まらない。軍に入って、大切な人を、平和な日常を守りたい……、それってべつに誰かから強制されたわけじゃない、自分で決めた気持ちだから」
「自分で決めた気持ち……」
「ただ……戦争なんてないにこしたことはないんだ。相手も同じ人間だったら、本当はきっとわかりあえるはずなんだしね」
「同じ……人間だったら?」
「だから先生は……、一モビルスーツパイロットとはまた違う視点から戦争と平和について考えたくて、それで大学の勉強を始めたんだ。……ちょっとエラそすぎっかな、ハハハ」
「いえ……、そんなことないです、ステキです!」

(中略)

「アリーサ先生の大事な教育実習を邪魔するなんて……、絶対に許さない!」
敵ティラノサウルス型の断末魔の咆哮へ向かってユノアはライフルの照準を定めた。
「ガンダムレインボーキュアシュートっ!」
虹色のビームを浴びてティラノサウルス型の敵もモビルスーツ型のときと同様に浄化されていく。今回コアにされていたのは標本の化石だったようである。
「先生っ!」
ユノアはハッチを開けてガンダムから飛び降りた。
「センセイ、センセイ……ハロ!」
ハロが少し戸惑い気味にユノアを追いかける。
「アリーサ先生、怪我は?」
「大丈夫、こんなのかすり傷だよ」
右腕を押さえているアリーサ先生だが、実際負傷はさほど深くないようだ。よかった。ユノアは胸をなでおろした。
「……しかし驚いたなぁ」
「すみません、コレ、公にはできないことで……。軍でも上層部しか知らないはずなんです」
「いやいや、てゆーかユノアちゃんがあんなに……ガンダムのパイロットをしてたなんてね」
「……アタシもガンダムで何度か戦って、その度に怖いこともあったけど、でも敵がヒドイことをするのを見たら、やっぱ放っておけないんです」
「そうだな……」
「だからいつもコクピットの中で、気が付いたら敵に向かって叫んでるんです。……『絶対に許さない!』って」
「あぁー、そりゃイイ。『絶対に許さない!』かぁ。……うん、よしソレをユノアちゃんの決めゼリフにしよう」
「え、えぇっ?」
「よし、練習しよう。こうやってポーズを決めて……『絶対に許さない!』」
「…………」
「ほらほら」
「あ、ぜ『絶対に許さない!』」
「『絶対に許さない!』」
「『絶対に許さない!』」
「絶対に許さない!」
「絶対に許さない!」
ガンダムが見守る校庭に、ユノアとアリーサの楽しそうな声はいつまでも響いた。

そのころ――。
いったいどこなのだろう、暗い部屋の奥で、複数のコンピューター端末を操る人影がある。
コンピューター端末の画面のひとつには、ユノアに関するデータが映しだされていた。
その人影は、それをまじまじと見つめながら憎々しげにつぶやいた。
「ユノア・アスノ……。絶対に許さない!」


 『 僕の妹はガンダムに乗れる 』
第6話「謎の転校生」

「では今日はまず転校生を紹介します」
朝のホームルーム、担任の先生がそのように切りだすと、教室が軽くざわめくのは、まあ一般的な反応である。
「珍しいよね、この時期に……」
「うん、どんな子かなぁ」
ユノアもまた左隣、窓際の席のカノンからの言葉を受けて、そんなふうに新しいクラスメートへの期待を口にする。
はたして、先生に招き入れられて姿を現したのは、群青色の髪にすみれ色の瞳を持つ女の子だった。
上品で清楚な雰囲気の中に、どこか不思議な魅力を秘めている。
「……ちょっと、ユノア」
思わず見とれてしまったユノアは、カノンから突っつかれてハッとする。
どうしてだろう。どこかで会ったことがあるような気がする……。
「ユリナ・ガレットです。コロニー・ノートラムから来ました。よろしくお願いします」
そうこうするうちに転校生は簡潔に自己紹介を終える。
「じゃぁ席はこの列のいちばん後ろに用意しといたから」
そんな先生の言葉どおり、たしかにユノアの右隣に新しく空席が設けられていた。
ユノアが、その席へと歩み寄ってくるユリナを吸い込まれるように見つめていると、必然的に目が合ってしまう。
ユリナが微笑とともに軽く会釈したので、ユノアも慌てて笑顔を作るとユリナに声をかけた。
「よろしくネ」
ユリナは落ち着いた動作で着席すると、
あらためてユノアのほうへ向き直ると言葉を返してくれた。
「はい、よろしく。…………ユノア・アスノさん」
ユリナの瞳が少し妖しく光ったように見えた。
「え?」

(中略)

「もぉ、お父さんもお兄ちゃんも、帰ってくるんならもう少し早く連絡しといてよね」
文句を言いつつも、ユノアの機嫌は悪くはなかった。
今日は新しい友人としてユリナを自宅での昼食に招いているのだが、日頃は軍務で忙しい父フリットと兄アセムもたまたま休暇が取れたということで、早朝、帰省してきていたのだ。
「よしっ」
料理の段取りがだいたい整い準備が仕上がったちょうどそのとき、来訪者を告げる呼び鈴が鳴った。
(中略)
「お邪魔します。ユリナ・ガレットです」
ユノアによる紹介に続けて、ユリナがそう言うのを待たずに、父と兄はなぜか激しい反応を示していた。
「ユリ……………………ナ?」
「……ガレットって!」

(後略)


 『 僕の妹はガンダムに乗れる 』
第7話「波乱のモビルスーツ大会(前編)」
(全略)


 『 僕の妹はガンダムに乗れる 』
第8話「波乱のモビルスーツ大会(後編)」
(全略)


 『 僕の妹はガンダムに乗れる 』
第9話「狙われた学園祭(前編)」
(全略)


 『 僕の妹はガンダムに乗れる 』
第10話「狙われた学園祭(後編)」
(全略)


 『 僕の妹はガンダムに乗れる 』
第11話「裏切りのワルプルギス」
(全略)


 『 僕の妹はガンダムに乗れる 』
第12話「【最終回】生きるのをあきらめないで!今こそ宇宙に心の花を咲かせよう」
 → こちらの記事の末尾に掲載
(2014/05/05)


(^^)


 


機動戦士ガンダムAGE3世代目キオ編の期待と不安 [メディア・家族・教育等とジェンダー]

というわけで問題作『機動戦士ガンダムAGE』、主人公は3世代目のキオ編に移行しました。

その初回を見る限りは、とりあえず心機一転の第1話として見れば、まずまずイイ感じのロボットアニメだったと言えるでしょう。
往年のZZガンダムへのオマージュとも見られるガンダムAGE-3の合体システムを伴った初登場も一定のカタルシスを伴った演出として評価できます。

過去2世代においては空気キャラなどという手厳しい評価もあったヒロインポジションも、今度のウェンディは多少は個性的で行動力がありそうな片鱗を見せていました。
まぁ作品としてはこの3世代目で終了なので、ウェンディはエミリーやロマリーのときと違ってキオと結婚して子ども(それもできれば男の子)を残すという使命の桎梏からはじめから解放されているという効果は思いのほか大きいかもしれません。

ただ、すでに祖父となった1世代目の主人公フリットが、いまだに少年時代の怨念から敵への復讐心に囚われた果てにいろいろお膳立てをして、孫キオへと血縁に基づいたガンダムの継承を画策している姿は、どうにも気持ち悪かったですね。

今回はキオが一人っ子なので、兄と妹で差が付けられる問題は発生しませんでしたが、依然として、本人の意志よりも先に、まずは血縁によって方針が決められてしまっているというところの描写が、違和感を視聴者に与えないようなものにはなっていませんでした。

あるいは、このように何十年も復讐心を燃やし続けるというのも、リアリティとしてどうなのかという気はしますし、それは決して平和で皆が幸せな世界を創造していくためにはならないわけなので、もしもこの先そのあたりの描写がキチンと落とし前をつけるものにならないのなら、これまた『機動戦士ガンダムAGE』の難点として再浮上してくることでしょう。

 

◎そんなこんなで、ユノアがガンダムで謎の敵と戦うスピンオフ小説『僕の妹はガンダムに乗れる』、さらに続きを書いてみました(^^)v


 『 僕の妹はガンダムに乗れる 』
第3話「親友はXラウンダー」

「はぁ……」
昼休みの校舎の屋上で、ユノア・アスノはひとりため息をついた。
あれ以来、親友のカノン・アスカとは気まずい雰囲気が続いている。
(こんなことならガンダムに乗ったりするんじゃなかったかなぁ……)
カノンを危険に巻き込みたくない。みんなを守りたい。みんなの平和なトルディアを守りたい。大好きな人達が暮らす、このふるさとのコロニーを……。
その思いは確かにある。
しかし、自分が謎の敵と戦うために伝説の戦士としてモビルスーツに乗っているなんて秘密を抱えること自体が、平穏な日常に影を落としてしまうとなると、いささか気が重くなる。
(あ~ぁ……フツーの女の子に戻りたい)
ユノアは、その手に握りしめたAGEデバイスを見つめた。
(中略)
「アタシたちの学校にナニすんだぁぁーーーっ」
ユノア怒りのビームサーベルは、校舎に群がっていた敵の雑魚タイプのうちの1体をまずは一刀両断した。
すでに全校生徒も先生方も避難が完了しているようだったが、それでも校舎など施設に被害が出れば、明日からの学校生活がままならなくなる。
さらにユノアは校舎やその脇の花壇にまで気を配りつつガンダムの歩幅を進めると、体育館に破壊の魔の手を伸ばそうとしていた2体に、強烈な刺突と斬撃をそれぞれ食らわせる。
「みんな大好きな学校を壊そうとするなんて……、絶対に許さない!」
操縦席でいつものようにそう叫んだユノアは、残るボスキャラ敵に向かってビームサーベルを構えた。
ボスキャラ敵は一瞬ガンダムに対して不敵な笑いを浮かべたように見えた。
そして素早く跳躍すると体育館の裏手へ回り込んだ。
「あっ、待て~っ」
体育館の裏手にはモビルスーツ部の部室兼工房がある。
(中略)
「カノーーーン!」
爆風で倒れるカノンを映し出すモニターに向かってユノアは叫んだ。
まずい。これはマズイ。このままではカノンが危険だ。
(いったいどうして?)
前回といい、カノンはなぜ適切に避難せずに、こんな危ないところにとどまっていたのか??
だがふとユノアは思った。
(……もしかして、アタシを心配して?)
今日もたしか校舎から全校生徒が避難を始めた際、その流れを乱すようにガンダムを取りに自宅に戻ろうとしていたユノアを、カノンは見ていたような気がする。
「カノン……」
ともあれ、もはや迷っている場合ではなかった。このまま放置すればカノンに危害が及ぶのは確実だ。それよりは――。
意を決したユノアは、ガンダムをカノンを覆い庇う位置にしゃがませると、コクピットのハッチを開いた。
「カノン!!」
カノンの驚く顔がそこにあった。
無理もない。あの白いモビルスーツの中から現れたのが知り合いで、しかも長年の友人ユノアだなんて。
「ユノア……、ユノアなの? どうして」
「話は後。早く乗って」
「乗ってハヤク、ハヤク乗ってハロ」
ハロが合いの手を入れるようにくり返すのを聞きながら、ユノアはカノンに手を伸ばし、引っ張ってガンダムに乗せた。
単座式のガンダムAGE-1のコクピットゆえ、カノンはユノアの膝の上に斜め向きに座るような格好になった。
「ちょっと窮屈だけど、あいつをやっつけるまでガマンしてね、カノン」
(中略)
それにしても今日のボスキャラ敵はすばしこい。ユノアのガンダムがどうしても学校を慮って動きが鈍くなるのとあいまって、攻撃も防御もついつい後手に回ってしまう。
「そこか!」
ユノア会心のビームサーベルの一閃は、しかしよけられてしまった。
そして次の瞬間、姿勢を崩したガンダムの背後に敵のキックが決まる。
「ど、どうしたら……」
と、そのとき偶然ユノアとカノンの掌と掌が触れた。

何か電流が走ったような感覚が、2人を貫いた。
「な、何、今の?」
「ユ、ユノア……」
「どしたの、カノン?」
「私、わかる。敵の動きがわかる」
「え?」
「来る! 右よ」
カノンに言われるままにガンダムを反射的に動かしたユノアは、右からの敵の一撃を回避できた。
「次は上から」
カノンを信じてビームサーベルを上方へと向けるユノア。するとなるほど、今日はじめての先回り攻撃が成功した。
「行ける。これなら行けるよ、カノン!」
ここでAGEデバイスが光った。
腕先に七色の光がほとばしり、ガンダムはレインボーキュアライフルを手にする。
「……まだ来ない。今度左から仕掛けてくるような素振りがあったら、すぐに後ろを振り向いて撃って」
「わかったわ」
カノンの予告どおり、ほどなく敵は左からガンダムを襲うように見えた。ユノアはそれに構わず、ガンダムを反転させながらライフルを後方へ向ける。ソコにはドンピシャ、ガンダムを欺いたつもりの敵がいた。
「ビンゴ!」
カノンが嬉しそうに叫んだ。
「OK~! ガンダムレインボーキュアシュートっ!」
(中略)
戦いが終わり、ユノアとカノンは、ガンダムが傍らに佇む校舎の、その屋上で、向かい合った。
「今日はありがとう。カノンのおかげで勝てたよ」
カノンが発揮したのが、脳の通常は未活用の領域まで活性化させることで発現する超感覚で、通称Xラウンダー能力と呼ばれるものであるというのは、後で知ることになる。
「私も、ありがとう。この前だって……ユノアが守ってくれてたんだね」
「ごめんね。アタシがガンダムに乗ってること秘密にしとかないと、みんなに危険が及ぶって思って」
「もういいよ……ユノアは悪くない。私のほうこそ、そんなこと知らなくて、それで私、ユノアにひどいこと言ったよね、本当にゴメン」
長年の親友である2人にそれ以上言葉は不要だった。
見つめ合い手を取り合ったユノアとカノンは、そうして互いの友情を確かめあう。
「カノン……」
「ユノア……」
それからユノアはおもむろに決意を語った。
「ねぇカノン……、アタシ、この戦い、最後までやりきるよ」
「…………」
「最初は……トルディアを守りたい、自分にそれができるんならって、はりきってガンダムに乗ったけど、……カノンと気まずくなって、自分だけこんな思いをしなきゃいけないんなら、こんなのもうイヤだって、ちょっと弱気にもなってたんだ」
「…………」
「でも今日あらためて思った。アタシやっぱり、みんなのために戦いたい。自分が、カノンや学校のみんな、トルディアの人々を守ってみたいって」
「ユノア……」
「そう思わせてくれたのはカノンだよ。これからもカノンがいてくれたら、きっと絶対大丈夫。あらためて……ありがとう」
「私、応援する。ユノアなら、きっと最後までやり遂げられるって思うから」
「うん……」
上空は夕刻の晴れた空にモードが変わっていた。コロニーの気象や昼夜をコントロールするコンピューターも正常に戻ったようだ。
屋上の2人をガンダムは見つめ続けている。
2人が守った学校には、明日になればまた新しい1日が始まるのであった。


☆彡


さっそく↓ソバスチン様よりコメント↓いただきました。(2012/04/30)
 >ソバスチン様、某所ではお世話になってます。
 >スマイルプリキュア関連の記事も近日まとめたいと思います
非常に的確なご指摘です。
特に『フリットには「死んだユリンの名誉と尊厳を守る」という発想はスッポリ抜けてる』という点は、私もうっかり見過ごしていた重要なポイントです。
フリットの描写が気持ち悪い原因として、おそらく大きな比重を占めているのでしょう。
つまるところフリットは自分の若き日のリア充を妨げられたことを恨んでいるわけで、ユリンそのものは自分のリア充のための道具にすぎなかった(往年のフリットもまたユリンの人格を大切にしているわけではなかった)……ように見えてしまう、すなわち制作側がやはりじつはそういう発想なのだと解釈すれば、いろいろつじつまが合います。
制作側がそんな(女性はしょせん男のための道具)発想であればこそ、復讐に燃えているはずのフリットに一方で結婚させるという展開も、なるほど、させてしまえるのかもしれませんね。


 


勢いで「僕の妹はガンダムに乗れる」の続きを書いてみた [メディア・家族・教育等とジェンダー]

『機動戦士ガンダムAGE』、「親子三世代にわたる物語」の2世代目主人公アセム編も、先週いちおうの決着を迎えました。

が、やっぱり最後までいろいろ酷かったです。少なくとも女性キャラの描き方は、いまどきのアニメに期待される水準からすれば最悪と言っても過言ではないかもしれません。
前記事にいただいているggさんのコメント(ありがとうございましたノ)にもあるように、まさに女性の人間性がキチンと描けていないのです。

ロマリーは結局はアセムと結婚するためだけのキャラで終わらせられてしまいました。
しかもラストは教会での結婚式のシーンって、ようするに「結婚こそ女の幸せ」ということが言いたいんでしょうか?
あんなにも活躍する場面がなかった理由は、「学生気分のままで軍に入ってみた自分はまだまだコドモだったのだ」という主旨のセリフによって、制作側は見事にロマリー本人に責任転嫁までしています。
いやいや、ロマリー本人や、ましてやCV花澤香菜さんのせいじゃないから!

眼鏡っ娘整備士レミも、プロポーズを受諾した途端に戦闘に巻き込まれて死亡という展開は、つまるところ「結婚こそ女の幸せ」という価値観に則った、その裏返しの悲劇描写の犠牲になったわけですね。
あの初登場時のメカオタクぶりなどこそ、自立した女性の生き方を示すひとつの事例として多くの人が評価していたはずなのに、どうも制作側はそこに内在する価値には気づいていなかったようです。

そして、せっかくのアリーサの役回りも、どんどん中途半端になってしまいましたし、かろうじて設定上は医療ボランティアに生きがいを見出したとされるアセムの妹ユノアも、肝心のその件が、アセムのセリフで語られるだけという扱い。

もぅものの見事な勘違いっぷりなのではないでしょうか。

なんというか、この件に関してこの観点から批評しているのがワタクシ佐倉智美くらいしかいないからまだいいようなものの、もしも永年にわたってメディア表現の中のジェンダー問題に取り組んでおられるフェミニズム界の重鎮の方々に『機動戦士ガンダムAGE』を見せたら、その酷評はこんなものでは済まないはずです。

挙句、「いまだにアニメ表現の中での女性の描写はこんなものでしかないのか!?」なんて誤解されてしまったら、いったいどう責任を取るつもりでしょうか。

(念のため言っておくと、もっと画期的なアニメはいまどきたくさんあります)

とにもかくにも、女性キャラが男性キャラと対等な人格を持った人間ではなく、あくまでも男性キャラにとっての都合のよい存在でしかないのでは、名作とは対極の位置にあるとしか言えません。

はたして『機動戦士ガンダムAGE』、3世代目主人公キオ編はどうなるのでしょうか?

 

◎というわけで記事タイトルのとおり、さらに調子に乗ってユノアが主人公のスピンオフ小説『僕の妹はガンダムに乗れる』の続きを書いてみました(^o^;)

 『 僕の妹はガンダムに乗れる 』
第2話「俺の妹がガンダムに乗れるわけがない」

「ねぇ聞いた、ユノア?」
「え………な、何?
「昨日のヴェイガンの襲撃だよぉ。なんでも白いモビルスーツが颯爽と現れて撃退しちゃったってウワサだよ」
「そ、そうなんだ」
「知らないの? …でも大丈夫だった? あれってユノアの家の近くだったんじゃないの??」
「う、うん~、まぁ………」
屈託なく話しかけてくるカノン・アスカに、ユノア・アスノは少しキレの悪い返事をしながら笑顔を作った。
苗字の綴りが途中まで同じなため出席番号がいつも隣どうしで、幼稚園のころ以来の親友であるカノンは、ユノアにとって何でも隠し事せずに話し合える仲であるはずだった。
(ちがう…、あれはヴェイガンじゃない……)
ユノアは昨日の戦いを思い返す。
ガンダムのビームサーベルが切り裂いた雑魚敵は次々と実体を失い光の塊として四散していった。
そのときコクピットの中でハロは、自分もまた「謎の妖精プログラム」が起動したまま、あれはトルディアのどこかで誰かがプログラムした闇のウィルスが、スーパーコンピューターから発せられるエネルギーとして実体化したものだと説明した。
そして最後に残った1体のモビルスーツ型だけは、いわば格上敵で手ごわかった。
「アイツには何か実体があるハロ。憑依している闇の力を浄化することが必要ハロ」
「じ、浄化って……、どうやって?」
ハロがデータを転送すると、AGEデバイスはいったいどんな原理だったのか物理法則を無視するように、ガンダムの武器を宙空に生成した。
「『レインボーキュアライフル』ハロ!」
コロニーの中でこんなビームライフルみたいなのを派手にぶっ放してよいのかとの常識的な逡巡はあった。しかし、これはこのタイミングで不思議な力によって出現したもの。大丈夫だというユノアの判断は早かった。
「わかった、こいつで撃てばいいのね」
ユノアが操るガンダムはライフルを手に取り狙いを定めた。
「ガンダムレインボーキュアシュートっ!」
そうして虹色のビームが敵に命中すると、黒いオーラのようなものが蒸発するように霧消し、やがてその場に倒れこんだのは、無人のモビルスーツだった。本来トルディアの警護のために配備されていたはずの連邦軍の量産型である。
その後、街で暴れまわったのがじつは連邦軍のモビルスーツだったのはマズいということで情報統制が敷かれ、襲撃はヴェイガンによるものと発表、ガンダムのことも公には伏せられた形となっている。ユノアの父であり連邦軍の司令官であるフリット・アスノが裏から手を回したというのも大きい。
それを受けて、バルガスとも相談した結果、ガンダムをユノアが動かしていたことは、公言しないほうがよいだろうということになったのだ。
(まーお父さん的にはアタシがAGE-1を動かしたことに焦ってたらしいケドねぇ。お兄ちゃんなんか「俺の妹がガンダムに乗れるわけがない」とか言ってそう……)
とはいえ初戦は首尾よくしのいだユノアにしても、敵がやってくる大元の原因まで取り除けたわけではない。再びの来襲は必ずあると言えよう。
そうなれば今後も上手く戦っていけるのかとなると、ユノアにも不安は残る。万一の場合に、カノンをはじめとした学校のみんなも危険の巻き添えにしてしまうようなことは避けたかった。
だとすれば、やはり自分がガンダムのパイロットをしていたなどとは、吹聴してまわれるものではなかった。
「ねっ、ユノアって!」
カノンのやや語気を強めた呼びかけに、ユノアは我に返った。
「あ、う、うん……」
「もーどうしちゃったのユノア、なんか怖い顔で考え込んじゃって。今日はなんかヘンよ?」
「え、そーかな……、あっ、その、ほら、もうすぐ期末テストだし」
さらに愛想笑いを重ねて話をはぐらかすかに見えるユノアに、カノンは不審の念を抱いた。
(ごめんね、カノン。でもこれ、言えないんだ……)
心の中で謝るユノアの気持ちを、しかしこのときのカノンがすべて理解できるはずはなかった。
(中略)
あちらこちらで火の手が上がった。
スタジアムはたちまちパニックの坩堝と化した。
逃げ惑う人々。阿鼻叫喚。
ユノアとカノンは手を取り合ってなんとかスタジアムの外まで脱出した。
3体の敵モビルスーツ型はなおも少しずつ移動しながら破壊を続けているが、ここまで来れば緊切した危険レベルは一段下がったと見ていいだろう。
ユノアはカノンに向き直った。
「カノン、ごめん、アタシ行かなきゃならないの。あなたはこっちから先に逃げて」
しかしカノンの納得がいかないという反応は、しごく真っ当なものであった。
「行くって…………、いったいどこに、こんなときに!?」
「それは……」
ユノアは困惑した。
カノンが訝るのももっともだ。しかしバルガスからの連絡では、裏手にカートを回してくれているはずだ。早く家に戻ってガンダムを出さなければ……。
「ホントにごめん。でもアタシがやらなきゃ……ならないことなの」
そう言って、背を向け走りだそうとするユノア。
「ユノア! 私に何を隠してるの?」
しかしカノンの叫びが心に刺さって足が一旦止まる。
「こないだからずっとそうよ。今までふたりは、どんなことだって話し合ってきたじゃない。その私にも言えないことって……何なのよ」
唇を噛むユノア。しかし時間はなかった。
「…………いつか必ず話すから。だから今は逃げて、カノン」
「ユノア……」
涙目のユノアが振り向くと、カノンの頬にも滴が伝っていた。
(中略)
「遅い!」
十分に引きつけた雑魚敵2体の攻撃を交わしたユノアのガンダムは、その2体の反転に一歩先んじてビームサーベルを振るった。
ビームは敵の急所を貫いた。
もはや実体化を保つことができなくなった敵は、ただのエネルギーの塊となり、一瞬の後に黒いオーラとして雲散した。
「宮本武蔵直伝、ビームサーベル二刀流!」
学校の国語の教科書で仕入れた知識を元に、少し決めゼリフっぽいことを口にしてみるユノア。
「ムサシ、ミヤモトムサシ、ユノア二刀流ハロ!」
ハロの無邪気なリアクションに少し心が癒される気がするユノア。
「あとはあのボスキャラだけ!」
前回の例からすれば、あの個体だけは何かの物体に闇のエネルギーが憑依しているはずだ。またあのライフルで浄化すればいい。
ユノアは操縦レバーを器用に調節してガンダムの姿勢を整える。
と、そのとき近くのビルの袂に人影が見えた。
「……カノン!?」
ユノアは絶句した。
どうしてカノンがまだあんなところに……。
その隙をついて敵はトンファーのような武器でガンダムに迫ってきた。
かろうじてかわすと、勢いでそのトンファーはスタジアムの外壁を打撃し、破片が地上へと落ちていく。
「あっ!」
まさにカノンのいるあたりに大き目のコンクリート片が落下しようとしているのが見えた。
「だめーーーっ!」
ユノアは操縦レバーを必死で倒し、カノンと落下するコンクリート片との間にガンダムを滑り込ませた。かろうじてコンクリート片は排除された。
ガンダムのメインカメラは、驚いたようにガンダムを見上げるカノンと目が合った。
しかし、むろんこのときカノンにはパイロットがユノアだとはわからない。
ユノアはガンダムの腕の動きでカノンにこの場から離れるように指示をすると、あらためて敵に対峙した。
「アタシの大切な友だちを危険な目に遭わすなんて……、絶対に許さない!」
と、そのときAGEデバイスが光った。
同時にコクピットの外でも七色の光がはじけると、前回の戦いのときとと同様に、ガンダムはレインボーキュアライフルを手にしていた。
(後略)


(*^_^*)