So-net無料ブログ作成

◎執筆・講演のご依頼はお気軽にお問い合わせください◎
メール案内ページ
「性同一性障害」など性的少数者の人権、セクシュアリティの多様性、クィア論、男女共同参画などや、そうした観点に引きつけてのコミュニケーション論、メディア論など、ご要望に合わせて対応いたします。※これまでの実績などはお知らせブログにて

ときめきメモリアル百合モード [多様なセクシュアリティ]

恋愛シミュレーションゲームの草分け『ときめきメモリアル』にワタシがかつてハマっていたことは、すでに知ってる方は知っておられると思いますが、先日 引き出しを片付けていると、その ときめきメモリアル・スーパーファミコン版の取扱説明書が出てまいりました。

昔やり込んでいたゲームでも、久しぶりに見るとまた違った見え方がする件は、以前に大航海時代2のほうで述べましたが、その観点から、この「ときメモ」取説にあっては、はたしてどのような発見が――!?


……………………。

やはり目が吸い寄せられたのは、そう、挿絵の百合百合しさですね(*^_^*)
例えば……


 BL120212toki-memo_01.jpg

いゃー、なんかイイなぁ~


 BL120212toki-memo_02.jpg

おぉー、如月さんになって、虹野さんと夏祭り行きたい!


 BL120212toki-memo_03.jpg

ぁぁあー、朝日奈さんっ! 代わって代わって!! (^^ゞ


 ……てな感じです。


ただ、これらは「新発見」というよりは、どうもかつてハマっていた往時から、すでに無意識に食いついていたフシがあります。

思えば『ときめきメモリアル』のプレイが楽しかったのは、いわゆる高校生活が疑似体験できるというゲームの構成にあったのですが、そのなかでも、複数の女の子と親交が深められる点が、自分の心の隙間に上手く入ってきていたのは確かです。

いろんな女の子と毎日の会話をし、休日には季節に応じてあちらこちらへと出かけ、楽しい時間を過ごす――。

実際のそういう生活からは遠く隔てられてしまっていた1990年代半ばという時空の中(『明るいトランスジェンダー生活』第0章(前夜) 参照)で、そんなゲーム世界は、一種の心のオアシスとして機能していたのはまちがいないでしょう。

ただ、当時ときメモをプレイしながら、漠然と不満だった点がありました。
それは主人公(=プレイヤー)の性別が選択の余地なく【男】に設定されているところ。

現実世界では当然に男性として女性に接するしかない中で、思いどおりの関係性が築けずに悶々としていた当時の私としては、ゲームという仮想空間においてまで、女の子と仲良くなるにあたって、男という性別を強制されることに、何やら言葉にできないもやもやを抱かずにはおれなかったのです。

かといって、主人公(=プレイヤー)の性別が【女】になるバージョンである Girl's Side となると、今度は仲良くなる相手の性別が男になってしまいます。
それじゃ意味がない!

かくて、当時の私は、どうしようもなさを感じながら、無意識のうちに、取説の挿絵の女の子たちの百合百合しくも仲良しな様子に、言いようのない憧れの念を抱かされていたのです。
ああ、本当は自分も女の子として、この女の子どうしの世界に参加したい。
そんな願いを未だ言語化させられないままに……。


そんな事情でしたから、当時の『ときめきメモリアル』に、もしもあればよかったものはと言えば、それは決して Girl's Side ではなく、そう、もうわかりますよね、百合モードだったのです。

主人公(=プレイヤー)は【女】、出会う校友たちも【女】。
そこで紡がれる物語。
 育まれる友情。
  それ以上のもの……。

いゃー、やっぱりイイよねー。
でもコレ、じつはけっこうニーズあるんじゃないでしょうかねぇ?


  


 


新しい女性の生き方のロールモデルは海賊にあり! [メディア・家族・教育等とジェンダー]

深夜アニメには決してドップリとハマっているわけではないのですが、いろいろ検索サイトで調べ物をしているうちに、こんなタイトルの作品にまたもや行き当たりました。

『 モーレツ宇宙海賊 』
漢字で「宇宙海賊」と書いてパイレーツと読ませる趣向で、「ツ」で韻も踏んでいるという(^^)
なお原作小説は笹本祐一著『ミニスカ宇宙海賊』だとのこと

………なんと宇宙海賊とな!
海賊ブームに、宇宙キターッ

しかも、公式サイトを見てみれば、フツーの女子高生がひょんな事情から宇宙海賊船のキャプテンになることを請われて――というお話だというではありませんか。

これはこれはなかなか画期的な内容の予感がしたので、早速に録画を(深夜アニメとしてもどエラい時間なので)セットして試視聴してみることにしました。

 §↓公式サイト↓§
http://www.starchild.co.jp/special/mo-retsu/top.html

 BL120211mo-pir.JPG


と――、
コレはすばらしい!

まぁ原作タイトルにもあるような「ミニスカ」系の描写は集客上の必要悪として(個人的には……悪くもないです^^;)、平凡だったはずの女子高生が、海賊になることを通じて、何を考え、どのように仲間と絆を結び、そしていかに成長していくのかが、しっかりと描かれるつくりになっています。

やはり、女性キャラがきちんと描写されている物語は名作――ですね。

もちろん海賊、それも宇宙海賊というのは、実際になろうというのは荒唐無稽なシロモノですが、作品の中で、海賊船のキャプテンになるという立場で自分を見つめ、自分の役割、今ここ で自分にできることを考え実行していく主人公の姿は、多くの人、とりわけ主人公と同様の女子高校生など若い女性にとって、生きていく上でのヒントとなりうるものです。

また実社会では、ジェンダー規範の中で女性が前景になる機会がどうしても少ない中で、例えば女性がリーダーシップを発揮することを期待されても、どうしても戸惑ってしまうケースも多いようです。
例えば災害の避難所の運営が男性中心の視点で運営される弊害は、昨年の東日本大震災でも指摘されましたが、その状況を改善しようと試みた避難所で、若い女性のリーダーを募ったところ、なかなか応じる人がいなくて困ったというような報告もあります。
 ※ツイッター @risetogetherjpさんのツイート1ツイート2ツイート3

しかしそんな中で、このアニメにおける、ほんの16歳やそこらの少女が海賊のキャプテンとして行動する様子、あるいはそこに至る、学校での(宇宙)ヨット部の練習航海で女子部員たちの一致協力に支えられて見せる、臨機応変に状況に対応して危機を切り抜けていく過程、……これらはまさに新しい時代にふさわしい女性のリーダーシップのロールモデルになるものではないでしょうか。


というわけで、今期はなかなか深夜アニメに当たりが多いです。
輪廻のラグランジェ』に加えて、この『モーレツ宇宙海賊』も要チェックのリストに加えておくことにしましょう。


ただ、そうは言っても、この『モーレツ宇宙海賊』のオンエアは関西地区の場合 土曜の深夜27時(日曜未明午前3時)台。
翌朝には『海賊戦隊ゴーカイジャー』も控えてるので、両方リアルタイム視聴するのは厳しいなぁ(^_^;)。
まぁそのへんは録画に頼るしかないとして、よくよく考えるとこの『モーレツ』→『ゴーカイジャー』の後、9時台には『ワンピース』もあるわけなので、なんとわずか6時間ほどの間に3本も海賊もののアニメ・特撮が放送されてるってことになります。
いやー、どんだけみんな海賊が好きなんだよ♪ (^o^;)


   

 

◎血筋・家柄で海賊が継承されてよいのか?という点
侍戦隊シンケンジャー』の終盤に際しても少し触れましたが、血筋や家柄を根拠に子どもに対して何かを継ぐように強いる体制というのは、本来的にはかなり外道であり、現実世界でなら、いわば憲法違反と言ってもよいことです。
ただ、このようなフィクションのポピュラーカルチャーにおいては、物語を面白くするための奇抜な設定として認められてしかるべきものでしょう。
そしてそのとき、子どもへの継承に関して性別は無関係という点を描くのは、やはり重要です。
『シンケンジャー』でも、シンケンレッドとして世界を守る使命が一子相伝な中で、その正式な継承者が女性であったことはまったく問題になっていませんでした。
同様に今般の『モーレツ宇宙海賊』でも、海賊船を継ぐ地位にある前キャプテンの子どもが女の子であるという点は、ことさらに審議事項としてフォーカスされてはいません。
その一方『機動戦士ガンダムAGE』は、この点で何を考えているのか、「親子三代にわたる戦い」で主人公が第二世代に移った際、大人になった第一世代主人公である第二世代主人公の父親は、妹だっているのに男である第二世代主人公のみにガンダムに乗って戦うことを継承させようとします。
これは自分たちの家柄の男が受け継ぐべき使命だみたいに語るその大時代なセリフは、宇宙時代になんと空虚に響くことでしょう。
いやはや、旧来の性別役割に囚われて女性キャラの主体性がちゃんと描けていない物語は駄作――と言うしかありませんね。


◎なぜ主人公が通う高校は女子校!?
『モーレツ宇宙海賊』で主人公が在籍する高校は「白鳳女学院」という名門女子校だという設定になっています。。
そういえば『輪廻のラグランジェ』でも同じく「鴨川女子高校」と女子校です。
なぜ女子校が舞台となるのでしょうか?
考えられる理由は………
1:ジェンダー規範に邪魔されずに個々の女性キャラを生き生きと動かせる
(男性キャラが主人公の直近の対等な立場に配置されるとどうしても現実世界のジェンダー秩序の影響を受けるし、下手な恋愛ボケ展開にも陥る危険がある)
2:カワイイ女性キャラをたくさん登場させられる
(いわゆる異性愛男性ファンの萌えニーズを満たせられ商業的な成功にもつなげられる)
3:百合描写もいっぱい!
(これに萌えるというニーズも既定の事実になりつつある)
  …といったメリットがあるからではないかと推察できます。
いやいやコレならマジじつにオイシイことです。
まさに皆得!!(^o^;)

 

参考・google検索[モーレツ宇宙海賊]で最初に出てきた一般ブログ記事
  →
 http://kousyoublog.jp/?eid=2597


 


オタクとSNSとモビルスーツ [多様なセクシュアリティ]

機動戦士ガンダムAGE』がイマイチ評判が芳しくない件については先日触れましたが、そのわりには例えばツイッターでの【 #g_age 】【 #ガンダムAGE 】といったハッシュタグ前記事参照)は随分と盛況です。
特に番組の放映時間である日曜の夕方になると、このタグを付けたツイートが何百も飛び交っています。
それはまさしく「この盛り上がり方は異常w」(^o^;)という趣です。

内容的には、進行中のストーリーの実況やストレートな感想のほか、「その展開はオカシイ」「その設定は無理がある」的なツッコミ、あるいは過去のガンダムシリーズや他作品にちなんだ小ネタの披露など、多岐にわたっています。
中には理解するのに高度なオタク知識が必要なものも含まれていると言えるでしょう。

まぁ作品の仕上がりにツッコミどころが多いゆえに、ツイッターで感想を共有するのが楽しくなるというのもありますし、むしろツイッター等でみんなでツッコミを入れ合う楽しみのために番組を視聴するということさえあるようです。

背景には、やはり今までのガンダムのシリーズとしての蓄積ゆえに、視聴者層が並々ならず厚いということも考えられます。

※さらに、多くの深夜アニメのような「放映時間が地域によってバラバラ」「もしくは放映されていない地域もある」…ということが『ガンダムAGE』には少ないのも大きいかもしれません

ワタシもこのところは日曜夕方5時になるとノートPC広げて、この『AGE』オンエア中リアルタイムツッコミ大会に参加しているのですが、いゃなかなかオモシロイです。
日頃のツイッターで交流のある方々とはまた違った人たちともやり取りできますしね。


で、ふと思ったのですが、こういうことが、まさに番組の進行と並行してリアルタイムで可能になったというのは、インターネットの普及と、そのネット上に用意されたソーシャルネットワーキングサービス――SNSの成果にほかなりません。

ファーストガンダムや、ZおよびZZガンダムの時代にあっては、同様のことをおこなうのに2ヶ月後の月刊OUT誌上を待つことを強いられていたわけですから、いやはやイイ時代になったものです。
※『ZZ』どころか、おおむね環境が整ったのは『SEED』以降ですかね

一般にアニメ視聴というのはマイナーな趣味だとされていますし、実際に身近な生身のコミュニケーションが可能な範囲内に同好の士が存在するとは限りません。
(そもそも嗜好がタコツボ化しているという現代においては、それはアニメに限らないことではありますが)

しかし、そんな特定の興味関心を持つ者どうしが瞬時につながれるインターネットおよびSNSは、まさに21世紀的な人と人の連携の可能性を支えるツールなのだと、今さらながらあらためて感じます。

これは、とりわけ何らかの少数派、アニメに限らず、つまるところ例えばセクシュアルマイノリティの連帯などにとっても大きな力になる……なっている のは言うまでもないかもしれません。


そして逆に言えば、インターネット上のSNSがない時代には、雑誌などがその機能を果たしていたということでもあります。

約2ヶ月のタイムラグがあるとはいえ、月刊OUT誌上で例えば『Zガンダム』について語り合うアニメファンの熱意は、今日の『AGE』で盛り上がるツイッターユーザーに勝るとも劣らないものがありました。

特に当時は現在よりも、アニメファンのマイノリティ度は高かった印象です。
身近に同じ話題を共有できる仲間がいない者どうしが、そうしたメディア上でつながりたい欲求も、より切実で大きいものがあったのではないでしょうか。

そうして、そんな雑誌誌上で意気投合した人どうしが、今に言う「オフ会」などで顔を合わせた際、相手に呼びかけるときに「おたく……」という二人称を用いがちだったことこそが、いわゆる【オタク】という言葉の語源だとも言われています。
(ただしコレのソースは不詳。以前どこかで読んだことがあるのは確か)

思えばファーストガンダムの1979年といえば、その少し前の『宇宙戦艦ヤマト』ブームなどを受けて、月刊OUT(…いゃべつにアニメージュで代表させてもいいのですが(^^))などのアニメ雑誌が創刊され、そこへハガキを投稿することでファンが交流できる下地が整ったタイミングでした。

そうしてそこへ『機動戦士ガンダム』というエポックメイキングな作品が登場することによって、アニメファンによる一大ムーブメントがいっそう可視化され、オタク文化と名付けが広まっていったというわけです。

その意味では、何らかのソーシャルネットワーキングメディアで交流して盛り上がるのは、いわばガンダムファンの伝統芸能ということになるかもしれません。


世間ではまだまだ「オタク」を否定的な価値判断でまなざす向きも多いかもしれません。
しかし「オタク」とはある種のマイノリティがネットワーキングされたものであるというのがその核心であるのなら、「オタク」をマイナスイメージで捉えるのは差別だと言うこともできるでしょう。

オタク的な文化様式、視点、価値観………。
そういったものの中から、新しい明日のよりよい社会をつくっていくヒントが得られることは絶対にありえます。

その意味でも、しかるべき人々を集めたインターネット上でのオタク談義は、じつはとても有意義なものなのではないでしょうか。

 

◎この記事ではオタクとしておもに「アニメオタク」を扱っていますが…
   ↓ 補足 ↓
http://twitter.com/#!/tomorine3908tw/status/157389007913889792
 (ツイログを「オタク」で絞り込み)
http://twilog.org/tweets.cgi?id=tomorine3908tw&word=%E3%82%AA%E3%82%BF%E3%82%AF


◎オタクという言葉がマイナスイメージとセットになって一気に人口に膾炙したのは、1989年の幼女連続誘拐殺人事件において容疑者の自宅の部屋の様子がテレビの報道で映し出されたことが、やはりきっかけとして大きいでしょうか。
しかしあれらの映像は、もとより編集され写り込んでいる情報に偏りがあるのはもちろん、撮影クルーによる意図的な原状変更もおこなわれたらしく、相当な印象操作を伴っていると言えます。
(参考文献:長岡義幸『マンガはなぜ規制されるのか』平凡社 2010)
だとすると、ひとりひとりがメディアリテラシーをしっかり働かせて、「オタク=犯罪予備軍」のような誤った偏見に陥らない心がまえは非常に大切なのではないでしょうか。
    関連 

http://stream-tomorine3908.blog.so-net.ne.jp/2006-02-20