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ハートキャッチプリキュアの妖精・シプレとコフレも性別「なぞ」? [多様なセクシュアリティ]

前記事でggさんにコメントいただいた件、けっこうあちこちで話題になっていて、どうしても賛否両論あるみたいですね。

「おしりパンチ」については、登場回において私は特に気にならず、あまつさえ「おしりなのにパンチ!?」と、作中のサソリーナさんよりも先にツッコミを入れてしまい、自らの関西人としてのサガを再確認することと(^o^;)なってしまっていました。

思い起こすと、いちおう女の子アニメに分類される『ミルモでポン』でも「ケツアタックっ!」ってやってましたけどネ。
逆に言えば、プリキュアシリーズが、女の子が見るに相応しいアニメとして正統であるという認識が世間に広まったがゆえにクレーム基準が厳しくなったと言えるのかも??


一方“こころの種”が生み出されるシーンは、私も初回、面食らいました(・o・)。
「えぇーっ、“こころの種”って、妖精の◯ンコですかぁ!?」

しかし客観的に考えれば、一般にウ◯コは植物の種が育っていくための肥料ともなるモノなわけで、ある意味つじつまは合っています。

◎明治以降の日本を欧米と比べた場合、下水道普及率の数字も相当に遜色があり、やはり社会資本整備でも日本は欧米より立ち遅れている……という解釈は、一面で成立するのですが、徳川幕府時代の江戸の町が、人口100万人を超えていたにもかかわらず、糞尿を近郊の農家が用いる肥料としてリサイクルするシステムが確立していたために、下水道に頼らない屎尿処理が可能だったと聞けばこそ、ソレって究極のエコ都市だったんじゃん!という非常に先進的な捉え方も可能になります。

だいたい、子どもたちは大して気にしていないのに、大人が過敏に大騒ぎすることで、子どももその空気を感じ取り、結果としてコトがタブー化していくのではないでしょうか。

そうして排泄について気軽に語れない雰囲気が醸成された結果、学校でウン◯に行けない子どもたちの問題も生じているわけです。


そして、この「排泄について気軽に語れない」ことは、おそらくは「性」について気軽に語れない社会のあり方とも、かなり密接に通底しているように思えます。

 

ともあれ『ハートキャッチプリキュア』では、毎回の戦いの成果として獲得され、数を集めることで戦いに勝利する、もしくはそれに有利に働くがゆえに、物語上主人公らの目的として設定されがちな“アイテム”に該当する“こころの種”は、なんと妖精のウンコだったというわけなのですが、その妖精というのが、『ハートキャッチ』ではシプレコフレと呼ばれる2人(2匹?)です。

主人公の2人の各々パートナーとして、そのプリキュアへの変身を導く役回りでもあります。


ちなみに初代プリキュアでは、同等のポジションの存在としてメップルとミップル、2代目『スプラッシュスター』でもフラッピとチョッピという妖精が設定されていました。

で、この場合、それぞれ前者は男の子で、後者が女の子、そして2人(2匹?)は愛し合っている…という異性愛主義的設定も持ち込まれていました。

『5』以降でも、こうした妖精に対する人間界の生物学的解釈に裏打ちされた概念に基づく性別付与は継続します。


ところが、この今回『ハートキャッチ』のシプレとコフレって…………。

あれっ?

どうなんでしょう??

よくよく思い返すと、そのあたりの明示的な描写がないような(^_^;)

公式サイトのキャラクター紹介で確認しても、明記されていませんし。

初代や『スプラッシュスター』の公式サイトでも、メップルとミップル/フラッピとチョッピの性別は記載されていませんが、それは自明だからわざわざ書かれていないということと推察されます。
反面『ハートキャッチ』のサイトでは、どうも性別データ自体の設定がなさげなオーラが出ているのです。


ということは、『ハートキャッチプリキュア』のシプレとコフレも、「性別・謎」系キャラクターに仲間入りですか?

よしよし。
それでは、2010年度モリゾー・キッコロ大賞(←何だヨ、それ!?(^o^;))にノミネートしておきましょう!


そして、そのあたりが、今後の物語にどう生きてくるのか、ちょっと期待してもよいかもしれません。

 

◎そういえば、初代や『スプラッシュスター』ではプリキュアの2人の性格分けが、一方は少しボーイッシュな元気キャラで、もう一方はおしとやかさん…だったのが、『ハートキャッチ』ではそういう単純な類型をやめた性格設定になっているので、ソレと、この「シプレとコフレ、性別・謎」は、大いに関連があるととらえてよいでしょう。
 
女の子2人モノ
では、イメージカラーがピンクのほうが元気キャラで、ブルーのほうがおしとやかさんだというのは、例えば『ふしぎ星のふたご姫』でも採用されていた、ある種の定石だったのですが、『ハートキャッチ』ではあえてその法則に該当させず、あまつさえ単に色を入れ替えただけでもないというのが、いわばシンケンジャーのピンクとイエローの設定と同様だと言える点ですね。

 

◎なお、崖の上のポニョがなぜ女の子なのかについて尋ねると「歌でそうなってるから」と答える我が娘・満咲に、このシプレとコフレの性別設定の件を確認すると、「うん、決まってないデ」「どっちでもエエんちゃう?」と一蹴されました(^^ゞ。

 

 


ハートキャッチプリキュアは なぜ自分で名前をつけられるのか? [メディア・家族・教育等とジェンダー]

さて今年度のプリキュアシリーズ『ハートキャッチ プリキュア』も、すでに放送は2クール目に突入し、おおむね好評を博しているようです。


人数は原点回帰で2人になり、一方で1人ずつでも変身可能な点など『5』以降の設定を受け継いでいるところもあり、さらには今までにない描写も見られます。

例えば敵の激しい攻撃を受けたダメージで変身が解除になってしまう演出は、戦隊シリーズなどではよくあるものですが、これはプリキュアでは初めてではないでしょうか?

あるいはプリキュアのピンチにどこからともなく現われる謎の青年の存在――『セーラームーン』でのタキシード仮面にある意味近いポジションと言える?――は、今まで男性の助けは借りずに戦ってきたシリーズの伝統に鑑みて賛否両論があったりもするようです。

そして、多くの人が第1話で「お゛っ!?」と思ったのが、変身後の【キュア◯◯】という名前を、変身した当人が初変身の際に自分で命名できるところ。

従来は、初変身時点で自動的に決めポーズを伴いながら決めゼリフに導かれて事前に決定している名称をもって名乗りを上げていた――そこで主人公の「何をワタシ口走っちゃってるの~??」というようなセリフも――ので、この部分はけっこう新鮮な印象があったと言ってよいでしょう。


そんな『ハートキャッチ プリキュア』。
ネットを軽く検索しても好意的な感想は多いのですが、ある意味、番組のほうでも、ウケるための作戦は、あの手この手、尽くされているようです。

で、その結果か、少々目に付くのがライバル作品・過去作品からの、優れた要素の流用ですね(まぁ一概に悪いとは思いませんが)。

例えば家が花屋でもある主人公が花をモチーフとしたパワーのプリキュアに変身することもあって、毎回「□□の花言葉は△△△」というくだりがあるのは、東映の女の子アニメの大先輩『花の子ルンルン』を彷彿とさせます。

もうひとりの主人公も家はブティックで、中学校で主宰する部活が“ファッション部”というのは、某『委員長』に対抗してめちゃモテのコーディネイトを提案していこうという狙いがあったものと考えてよいでしょう。尺の都合か、なかなかそこまでは設定が活用される機会は少ないですが。

(ともあれ、よくある子どもたちの将来なりたいもの調査で男女別に集計した際の、「女の子の回答」の上位に並びそうなブティックや花屋さんを手堅く持ってきているのは確か)

他にも敵幹部のひとりがなぜか土佐弁でしゃべるのは坂本龍馬ブーム便乗とも受け取れますし、エンディングのCGダンスは前作『フレッシュ』の特長をそのまま引き継いでいるわけです。


しかし しかし。
それよりも何よりも、最も激しくパクられている!?
と思われるのは、やはり『しゅごキャラ』ですね。


目立つディティールだけ取っても、『ハートキャッチ』の変身キーワードが「オープン……ハート」と、『しゅごキャラ』での必殺技とカブってたりします。

生徒会長が王子様キャラで、かつトランスジェンダルな設定を抱えているのは、『しゅごキャラ』の唯世クン+なでしこ/なぎひこ というわけです。

いゃ、そもそも主役声優が『しゅごキャラ』のメインキャストから引き抜かれてるし(^^ゞ

◎水樹奈々さんも『しゅごキャラ』アニメシリーズではむしろダークプリキュア的な役回りだったのに、こちらではキチンと異なるキャラクターを演じ分けているのは、さすがプロの声優です―――と思ったんですが、この水樹奈々がダークプリキュア的なキャラも演じられる…ということが、もしかして4クール目以降最終回まであたりのドエライ展開の伏線なのでは!? ということも、ちょいと思いついてしまいました。


そして、コトはそういった表層的なことにとどまりません。

『ハートキャッチ』での根幹となるテーマにつながっている“こころの花”というのが、そもそも『しゅごキャラ』の“こころのたまご”から、ほとんどそのままスライドした設定です。

『ハートキャッチ』で敵が毎週繰り出す怪物も、各回のゲスト登場人物が何か心に抱いた
弱み
が原因で“こころの花”が萎れ、そのマイナスエネルギーから生成されるというのは、“こころのたまご”にバツが付き、そこから孵ったバツキャラが暴れだすのと、見事にパラレルです。

主人公らの変身後の活躍は、そんなわけで両作品ともに、単純に悪の怪物をやっつけるというものではなく、怪物の力の源となっている人間の心の負の部分を浄化し、元々の“こころ”の持ち主を救済するところに主眼が置かれています。

これらはすなわち、作品の根幹となるテーマが、両作品に奇しくも共通してしまっているということです。

つまり、ひとりひとりが胸の奥に持っている“こころの花/こころのたまご”を大切に育んで、自分の心に素直に、ありのままのなりたい自分になろう――というメッセージが、両作品ともに発信されているわけですね。


これは、ありていに言えばパクりに他ならないのですが、もう少し好意的に解釈するなら、今もっとも必要とされている主題を追求した結果、必然的な偶然として一致してしまったのかもしれません。

…………案外、企画会議のBGMいきものがかりの「心の花を咲かせよう」だっただけだったりして(^^)

◎このテーマ(ありのままの自分でいることの困難性)が視聴者層として想定されている女の子たちの喫緊の課題だというのは、かつての『魔法のプリンセス ミンキーモモ』の“希望する職業に就くことが魔法を用いたくなるくらい困難な時代”よりも、よりいっそう問題としては根が深くなっていると言えましょう。

◎またコレをテーマに据える以上、その困難性の大きな要因のひとつであるジェンダーの問題は避けて通れず、それをわかりやすく描写するためには、これまた必然的にトランスジェンダルな登場人物を配置することになるのでしょう。


その意味では、『しゅごキャラ』シリーズも終了した今となっては、そのエートスを正統に受け継ぐ番組として『ハートキャッチ プリキュア』には期待を寄せてもよいのではないでしょうか。

はてさて、これから最終回までに、どのような心の花を咲かせてくれるのでしょうか。

 

そして!

こう考えてくると、上述した、『ハートキャッチ プリキュア』では変身後の名称を本人自身が名付ることになっている理由も、おのずと推察可能になってきます。

そう、自分の心を大切にしてなりたい自分になることをテーマとして称揚している番組で、その主人公たる者が、あらかじめ設定された何者かになってしまうのではハナシになりません。

自らが何者で、どういう自分であるかは自分自身で決める――。

そのためにも、『ハートキャッチ プリキュア』では主人公らが自分で名前を決められるシステムが必要だったわけです。


名前のほかにも、じつは『ハートキャッチ』の変身シーンでは、変身プロセス途中の主人公らが、妙にナルシスティックなポーズや表情を見せる部分があります。

元々、セーラームーンやプリキュアシリーズといった、いわゆる女の子アニメの変身シーンは、男の子アニメのそれと比較して、必要以上にファッションショー的で、あまつさえ変身後のコスチュームは変身前よりも露出が増えていて、むしろ防御力が下がってるゾ! などの批判もあります。

まぁ、そうした差異は社会全体のジェンダーバイアスが複雑に影響した結果なので、単純には断罪できないし、また関連商品を売りたいスポンサーの意向が無視できないのも現実です。

さりとて、『ハートキャッチ』の変身中のアレは「あまりにも自己陶酔しすぎ」という感じがして、いかがなものかなぁ…という気は、私も当初はしていました。

でも、じつはソレには重要な意味があったのですね。

そう。
そうなんです。

自分の心を大切にし、なりたい自分になることが大切なのだとしたら、その第一歩は、なによりもまず、自分で自分を好きでいることですから。

 

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★『ハートキャッチプリキュア』の主題歌にそのまま使えそうな、いきものがかりの名曲「心の花を咲かせよう」は、アルバム『 My song Your song 』に収録↓

  

★↑でもって『ハートキャッチプリキュア』のエッセンスに手っ取り早く触れるなら、まずは公式主題歌(^^)から

 


◎本人が名前をつけられる『ハートキャッチプリキュア』において、主人公らから見て先代のプリキュアにあたる[キュア ムーンライト]は、なぜ「ムーンライト」なのか? と思って、もしかしたらソレは、キュアムーンライトに変身する人が小さい頃テレビでやってた『セーラームーン』が大好きだったので決めゼリフを「月に代わっておしおきヨ!」にしたかったから……なんて裏設定も勝手に考えてたんですが………(^o^;)


◎ちなみにダークプリキュアは、おそらくはかつてムーンライトのパートナーの[キュア サンシャイン]だったのが×××××…………と予想しています。


◎それはそうと、主人公が変身する[キュア ブロッサム]って、『スプラッシュスター』の咲が変身した[キュア ブルーム]とモチーフがカブってますよね。
bloom / blossom
さらに途中で追加された別バージョン変身「天空に満ちる月、キュア ブライト!」は[ムーンライト]とカブってるという(^^)


◎ちなみにもうひとりの主人公が変身するのは、前に触れたとおり[キュア マリン]なんですが、これってよくよく思い出すと、『5』の2年目が始まる前に私と満咲で考えたパロディから盗られてるっ!!(^o^;)
いちばんパクられていたのはソコだった!