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大災害と非常時弱者 [経済・政治・国際]

11日に発生した東北沖を震源とする地震(「東北地方太平洋沖地震」?)による今回の一連の災害(「東日本大震災」?「東北関東大震災」?)、しだいに状況が明らかになればなるほど、その被害の大きさが想像を超え、報道される惨状には絶句するよりほかありません。

かの阪神大震災も、たしかに激甚な惨禍をもたらした事象でしたが、今回は、それ以上に、その被害地域の範囲が広範にわたり、また地震そのものの他に津波など複合的な要因がからんでいることで、よりいっそう深刻な状況がもたらされているのが、困難を極めているかもしれません。

現在の私にできることは誠に限られていますが、被災の皆様には衷心よりお見舞い申し上げます。
また救助・救援にあたる方々のご安全等々も切にお祈り申し上げます。


そのうえで、報道から知りうる限りの範囲において、若干気になる点を申しますと、やはり、こうした非常事態という非日常において、弱者となってしまう人たちに対しての配慮は、はたしてどのくらいおこなわれているのだろうか? …ということがあります。

お年寄りや、持病のある人、乳幼児連れの方――。
はたして常備薬や、粉ミルク、紙オムツなどが、救援物資としての必要性を俎上に乗せられているのかが心配です。

また外国人住民などのケースでは、言葉や文化ギャップの壁が例えば避難案内などの情報提供や避難所生活の妨げになって、結果として孤立化してしまう懸念も、平常時には語られるものの、こうしたいざという際に、どの程度対応できるのかには不安があると言わざるをえないでしょう。

その他、各種の障害者もですし、例えば食物アレルギーを持つ人への配慮をギリギリの状況下での炊き出しにおいておこなうのが現実として難しいのは想像に難くありません。

もちろん実際の現場では、実状と折り合いの付けられる範囲で、可能な対処をするしかないのは理解できます。
しかし、そうしたマイノリティであるがゆえに「非常時弱者」となってしまうかもしれない人々の存在を、少なくとも念頭には置いておくことは、大切であろうかと考えられます。
“屈強な男性”の基準だけで物事が進められてしまうことは、むしろ非常時であらばこそ、好ましくないかもしれない――
そのように多くの人が認識することから、より多くの人が救われるのではないでしょうか。


そして、かような「非常時弱者」となってしまうマイノリティとしては、当然トランスジェンダーも含まれることになります。

本人の状況、地域でのカミングアウト具合などによって、直面する個別の問題のディティールは異なるにせよ、避難所生活は、どうしても便宜的に男女二元的に仕切られるでしょうから、その居心地がよろしくないのは必定です。

通常はフルタイムでトランジションをおこない、周囲からその性別で認識されているケースでは、避難所生活においてはそれが維持できなくなって(例えばMtFではヒゲが伸びてくるとか)、元の性別が知れてしまうことをめぐるトラブルもあり得ます。

また、避難所での共同生活における役割配分なども、単純に男女で区分されがちなのではないでしょうか?
(力仕事のときに「男性の方、お手伝いお願いします」など)
これは、トランジションを進めておらずカミングアウトもしていないようなセクシュアルマイノリティにとっては、さりげなくストレスが積み重なる場面です。

(このほか、同性愛カップルが「家族」として扱ってもらえない問題などもあります)

◎「トランスジェンダー」(←いわゆる「性同一性障害」)などセクシュアルマイノリティ(…と原則ほぼ同意で「LGBT…」などとも)をめぐる基本は、さしあたりこちらで
 [セクシュアルマイノリティの基礎知識
 [「性別」とセクシュアリティの多様性


くり返しになりますが、個々の現場での対応は、そこでの現状とのすり合わせた結果に応じたものにならざるを得ないのは現実でしょう。
しかし、はじめから考えに入っていないのと、配慮すべき事柄として検討はしたもののやむをえずあえて外すのとでは、やはり大きく違います。

「非常時弱者」となってしまうマイノリティの存在を念頭に置くということを、できるかぎり意識されるよう、望まれるところです。


(2011/03/16)
マヨさんからのコメント中のリンク先にあるように、この問題についての取り組みが多少なりともおこなわれていますが、なかなか大きな動きとはしがたい現実もあるでしょう。
いずれにせよ、非常時であるだけに、普段以上に、お互いの多様性を認め、思いやり譲り合いで、個別の問題に対処することが肝要かと思います。
あるいは、それに反するようなおこないを排するような雰囲気を、現場に醸成することも期すべきことではないでしょうか。
あと「心配して避難所にたずねてくる実家の親が、当人の性別移行名前を変えている事実を知らない」というようなことに起因するトラブルも、セクシュアルマイノリティの問題に特有の事象かもしれません。

親にこそ、もっともカミングアウトしにくいという構造は、セクシュアルマイノリティにはありがちで、この点が民族的なマイノリティなどと大きく異なるポイント


 

 


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コメント 1

マヨ

お久しぶりです。神戸大学学生震災救援隊のものでございます。
今回の震災を受けて、うちの部でも情報収集や、街頭募金など行ってます。
しかし、気になるのは確かに災害弱者と呼ばれるみなさん…十分な配慮がなされているのでしょうか。
ツイッターでマサキさんの呼びかけによって、こんなものも作成中なので、これがうまく支援に入っている団体に届いてくれたらと願います(><
「被災地のLGBTが望むこと http://bit.ly/fXToIf

もうひとつは、中々報道されない地域の被害状況も気になります。
昔埼玉に住んでいたため、茨城や栃木、千葉はよく遊んだ場所なのですが…どうなっているのでしょう…。
不安は尽きませんが、長期的な支援がしていけたらと思っています。
by マヨ (2011-03-15 00:32) 

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