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宇宙戦士バルディオスは なぜ明日を救えなかったのか? [メディア・家族・教育等とジェンダー]

昨年の夏、テレビで『仮面ライダー ディケイド』の最終回を見て以来、“ぜんぜん終わっていない最終回つながり”ということで、『宇宙戦士バルディオス』が妙に気になってます。


『宇宙戦士バルディオス』というのは1980年に放映されていたロボットアニメで、ある種のマイナー色が強い一方で、熱心なファンも少なくなく、人気の根強い作品です。

1980年頃のロボットアニメというのはポストファーストガンダムを模索して、各社各局がいろいろな新機軸を試みていた時期で、『宇宙戦士バルディオス』もまた、凝った設定や大人にも見ごたえのあるドラマを盛り込んだ意欲作でした。

ただ、それで中高生以上の年代のファンの獲得には成功したものの、小さいお友達のウケは芳しくなく、視聴率や関連玩具の売れ行きは滞りました。

結果、放送は打ち切りとなってしまい、当初の予定よりも数話分早く最終回が到来することになってしまったのです。

で、フツーはそういう場合は、脚本を手直ししたりして、短くなった放送期間内に、いちおう話が決着するように調整するもんなんですが、この『宇宙戦士バルディオス』制作陣というのは、どういうプライドをもって臨んだのか、そーゆーことは一切せず、当初予定の通りに粛々と作品を仕上げ続けたみたいなのです。

その結果、名目上の最終回となったお話は、本来ならばいよいよこれからクライマックスに突入しますヨ~という位置づけの回で、そのラストは、敵の攻撃で南極の氷が融け、世界各地に大洪水が起こって、人々が「うわぁーっ!」となっているところで、画面の隅に「つづく」と出て終わりという、いろんな意味で壮絶なものとなったのです。

しかもその回のサブタイトルがまたスゴイ。
「破滅への序曲(前編)」ですから。
序曲」の、それも「前編」で、ソレが最終回!

いゃだいたい最終回なんだから続かないのに「つづく」っていったい…(^o^;)


そんなこんなで、その後ファンによる署名活動なんかも起こって、やっとこさ1年後くらいに続きに相当する部分を含めた劇場映画版が制作・公開されたわけです。

(もっとも劇場版で明らかになった真のラストも、なんとゆーか夢も希望もない暗澹たる結末だったりしましたが)


そういう意味では、同じ「続きは劇場版で」でも、はじめからそのつもりだったとおぼしき『仮面ライダー ディケイド』とは、事情がちがうわけですナ。


コメント欄にてtkcさまから補足情報いただいてます(2012/05/23)
佐倉のほうではあえて省いた、打ち切りや「最終回」をめぐる経緯が詳しいです。
(ありがとうございました)
なお「事実誤認」とご指摘いただいている点については、私の30年前の実際にリアルタイムのオンエアを視聴した記憶と当記事執筆当時に参照可能だった情報を突き合わせて検証を重ねたうえで、当記事の趣旨に鑑みて相応しい形に構成したものです。その際、最小限度の推測や不確実な伝聞に基づく箇所については慎重に断定表現を避けております。
したがいまして誤認された事実というよりは、解釈の範囲内であり、もしくは私にとっての主観的な事実ということになります(それを絶対的な真実であるとは読まないリテラシーは、読者の側に委ねられるものだと考えます)。
多少大げさな筆運びにはお叱りもあるかと思いますが、これもバルディオスの名目最終回がいかに衝撃的だったかをわかりやすく広く伝えたい思いからであり、作品への愛ゆえとご理解いただけると幸いです(私にとっても好きなアニメであり、決して揶揄誹謗の意図はございません)。

 

さて、そんな経緯を抱えた『宇宙戦士バルディオス』ですので、やっぱ今日においてきちんとした形で鑑賞し直すのは難しい状況です。

ただ最近キングレコードから発売されたCD、「ロボットアニメ大鑑」シリーズに主題歌はバッチリ収録されています。

◎「ロボットアニメ大鑑」シリーズ
『バルディオス』をはじめ、往年のロボットアニメ主題歌がかなり網羅されてます。

   

『バルディオス』は上巻に収録です。
この3タイトルのジャケット絵を順に並べると1枚の絵になるというのが、なかなか商売上手と言わざるを得ませんネ


これを聞いてみるだけでも、羽田健太郎を起用した『バルディオス』の音楽は、なかなか凝ったものであったという片鱗がうかがえます。

テレビシリーズでのオープニング主題歌『あしたに生きろバルディオス』(作詞:保富康午)は、70年代型 戦え強いぞ正義だ負けるな調のものではなく、ポストガンダム時代のある意味ちょうどいい落としどころにまとまっていると言えるでしょう。

しかも劇場映画版の結末まで知った後で歌詞をあらためてよく聞くと、「明日を救え♪バルディオス~!」の「明日を救え」って、(単なるロボットアニメ主題歌としてのアオリ文句ではなく)そーゆー意味だったの!?
という、そんなところに伏線が! の発見もあって、なかなか味わい深いこと(^^)。


一方エンディング主題歌だった『マリン、いのちの旅』(作詞:保富康午)。

はいはい、そういえばたしかにこういう歌でした。
まるで昭和のムード歌謡のような哀調を帯びた、これまたロボットアニメとは思えない妖艶なメロディラインの曲。

愛のオアシス」って歌詞もスゴいかも(^^ゞ

で、この『マリン、いのちの旅』をワンコーラス聴き終えようというところで、私は…………コケました(^_^;)

「それでも行くのか、マリン」
「黙って行くのさ、マリン」

と続いてきたのを受けて、最後の留めの部分で歌われる歌詞が、

そう、

なんと

男だから~♪」!


………………(・o・;)?

えぇーっ、ぃや、そこって、「男」は関係あるんでしょうか!?!?


この曲の歌詞を見た限り、そこで「男だから」とする文脈上の必然性は見出せません。

『宇宙戦士バルディオス』のアニメ作品全体を記憶している限り見渡しても、決して「俺は男だ!!」的な価値観が濃厚なわけではなく、例えば地球防衛軍サイド随一の頭脳の持ち主で、主役ロボット・バルディオスの合体システムを開発した科学者でもあるクインシュタイン博士というのが、決して“女を捨てている”と視聴者が受け止めるような容貌ではない女性だという設定(現在ならまだしも、当時としてはけっこう画期的なはず)などからしても、むしろジェンダーバイアス度は低いと言ってもよい作品でしょう。


ソレが、こんなところで「男だから~♪」とは!?

いやはや、ヤられました。
かなり脱力(~_~)。

なんてーか、人類存亡の危機というときに、そんな男だ女だとこだわっているようでは、そりゃダメかも。


というわけで、宇宙戦士バルディオスがなぜ明日を救えなかったのかが、なんとなくわかったような気がした、エンディング主題歌のお話でした。

 


「マリン」は(主役ロボットであるバルディオスのメインパイロットでもある)主人公の名前。歌のとおり男性です。
…ハートキャッチプリキュアのキュアブロッサムの相方じゃないですヨ(^^)
そのうち“キュアマリン、いのちの旅”なんてパロディが動画投稿サイトに上がったり??

2012/04/04現在YouTubeで視聴可能なのは↑コレ
   上手いっ! スバラシイ仕事である!!
 ↑
『バルディオス』も、「海より広い俺の心も、ここらがガマンの限界だ! 行くぜ、オリバー、雷太。バルディオス・チャージアップっ!!」ってノリでやってれば、打ち切りにならなかったかも??

◎上述「ロボットアニメ大鑑」シリーズ下巻収録の『魔境伝説アクロバンチ』オープニング主題歌だった「夢の狩人」を聴いて思うのは、――このコンセプトって幾千万“分”もの遥かなる時の流れを超えて『轟轟戦隊ボウケンジャー』で復活してるよなぁ(*^。^*)

◎さらに余談ですが、『ボウケンジャー』とその前年度の『魔法戦隊マジレンジャー』の主題歌も、なぜか【作詞:岩里祐穂】だったりします。


◎あとサンライズ巻に主題歌が収録されている『トライダーG7』、これはロボットアニメとして、巨大ロボットを運用するための“経費”を初めて可視的に描いた作品だと言えましょう。
ミサイル一発撃つたびに算盤を弾いてお金の心配をする専務が、けっこうツボでした(^^)
主題歌歌詞にも、そのへんけっこう反映されてます。


 


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コメント 1

tkc

>画面の隅に「つづく」と出て終わりという、いろんな意>味で壮絶なものとなったのです。

>しかもその回のサブタイトルがまたスゴイ。
>「破滅への序曲(前編)」ですから。
>「序曲」の、それも「前編」で、ソレが最終回!

 ファンとして、そして当時のスタッフの名誉の為にあえてコメントします。
 貴方がどのような映像ソースでバルディオスのTV放映時最終回をご覧になったのかわかりませんが、
 この31話のオンエア版には(前編)の文字は入っていなかったし、つづくとも表示されていません。
(このバージョンは過去 スカパー!のATーXでも放送されており、31話で最終回でした。)
 地球はこのまま崩壊に向かっていくのだろうかと予兆させた最終回という事で無理矢理ですがまとめています。

>で、フツーはそういう場合は、脚本を手直ししたり>して、短くなった放送期間内に、いちおう話が決着>するように調整するもんなんですが、この『宇宙戦>士バルディオス』制作陣というのは、どういうプラ>イドをもって臨んだのか、そーゆーことは一切せ
>ず、当初予定の通りに粛々と作品を仕上げ続けたみ>いなのです。

 これに関してもですが、あまりに打ち切りが急に決定してしまった事、39話掛けて細密に伏線を張った展開であった事からこの対処がやっとだったというのが真相です。
 実際、本来「破滅への序曲」は32話で、S1星と地球が類似しているという伏線が大きくでてくる本来の31話「失われた惑星」の回を飛ばして放送することで、何とかまとめようと必死だったのが伺えます。
 打ち切り決定の段階で既に34話までが完成し、既に35、36話の作画の一部まで進行していた状況だったようです。
(DVDには34話までが収録されており、以降の39話まではシナリオは完成するも、製作には至らなかったのです。(劇場版製作のためと思われます。))

 ブログの記事は面白おかしく書いて注目を集めるものだとは思いますが、事実誤認をさも本当の事のように書かれているのはファンとしては心外ですね。
by tkc (2012-05-23 19:32) 

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